花束となりやまない拍手と
あなたは花束を抱えている。これまでの人生で抱えたことがないような大きな花束だ。
司会がこのセレモニーを進行している。
舞台の脇にいる司会がマイクにむかって言う。
「それではここで〇〇社長から、お言葉を頂戴いたしたいと思います。〇〇社長、壇上へどうぞ!皆さま、盛大な拍手でお迎えください」
色紙があなたに手渡された。
「〇〇社長、これまでありがとうございました。」
中央に大きな字で書かれている。その周りを囲むように部下たちの自筆のメッセージがところせましと書き込まれている。
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これはあなたが無事に事業承継を成し遂げ、社長を引退する時のセレモニーの様子だ。
「〇〇社長」の箇所はあなたの名前に置き換えてほしい。
この場面をできるだけ具体的に思い浮かべてほしい。
前日はどんな気持ちでしたか?
前日は何時に床につきましたか?
当日は何時に目覚めましたか?
セレモニーに着ていく服は、どのように選びましたか?
季節は今、何ですか?
今日は晴れていますか?
自宅を出る時、家族は何と言ってあなたを送り出しましたか?
会場はどこですか?
そこまでどのように向かいますか?電車ですか?自分が運転する車ですか?
会場につくのは、あなたが一番ですか?それとも、誰かスタッフがあなたよりも先に会場に着いていましたか?
さらに想像をたくましくしてほしい。
あなたは司会から壇上へと促され、手元のメモを見て話を始める。その手元のメモは数ヵ月も前からあなたが準備してきたものだ。
あなたは、自らが慈しんできた会社の将来を託す社員たちに、どんなメッセージを残すのだろうか?
色紙には、どんな言葉が書かれているだろうか?
きっと、「あいつがこんなメッセージをオレに送ってくれるのか」と驚くようなこともあるだろう。
この想像が、あなたの事業承継の始まりです。
この日をいつにするのか?
3年度ですか?5年後ですか?
すべて、あなたの思いのままに。
このブログの最後にウォルト・ディズニーの言葉を贈ります。
「夢を見ることができるなら、それは実現できる」